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飛田新地

飛田新地というところが大阪の西成地区にある。
有名な場所なので赤い疑惑の関西ツアーの折に寄ったことがあり、
噂通りの異様な磁場を感じてオレは内心ドキドキしていた。
狭い土間の向こうに年増のオンナの人が毛布をかけて座っていて、
その脇に電気ストーブがあり、その電気ストーブの向こうにはおばちゃんが座っていた。
そんな気がするだけで、実際はどうだったか定かには覚えていないし、
ジロジロと観ていいモノではないという本能的認識が働いていたので、
あまりしっかり視界に収めた訳ではなかった。

その飛田新地(いわば浮き世から決壊で隔てられたようなアソビバ)のことを
ラップにして唄っているヤツがいてビックリした。
オレの大好きなSHINGO西成だった。
それにしても完成度の高いPVだな、と久々に国内アーティストの動きに刺激を受けた。
前々からヒップホップのPVは力作が多いよな、となんとなく感じていたけど、
このビデオを観てそれを痛感したし、そういうヒップホップの文化
(楽曲からプロモーションまでを全部自分達のクルーで賄う)に感心せざるを得ない。
SHINGO西成の所属しているライブラプロダクションだろうか。

映像が綺麗で思わずうなった。
この、飛田新地の、清潔に整然と並んだ建物としての美しさ、
実際行った時にはわからなかったそういう部分を描いているのが凄いな。
昔、ブルーハーツが円周率をずっと唄い続けるふざけた曲があったのを思い出したけど、
この、店の名を羅列したラップと、関西弁でしか出しえないこのSHINGO西成のフロウは、
円周率の唄よりずっと面白いな。
まあ、とりあえず、見てみてよ。


スタッフ・ベンダ・ビリリがやってくる!

以前紹介したスタッフベンダビリリ(以下SBB)というコンゴのバンドの来日が決まったようです。
SBBはコンゴの首都キンシャサのゲットー地域の路上生活者によるバンドで、
メンバーは皆ポリオ(小児まひ)を患ったために車椅子で生活しています。
日本の車椅子の場合タイヤを直接手で動かしますが、
彼等の車椅子は手でペダルを回して動かすので何だかバイクを乗りこなしている風に見えます。
どうやら彼等はストリートチルドレンを指導するような、風紀委員のような役割をしているらしく、
子供達に慕われていて、映像を見ると彼等の車椅子を子供達が、
当り前のように押してあげながら一緒に行動している様子が映ってます。
彼等の音楽はコンゴのトラディショナルと南米ラテンの要素を掛け合わせたような音楽ですが、
何故か、それでは説明のつかない熱量を感じる気がオレにはします。
現在進行形で鳴らされている音楽だというのもとてもしっくりくる。
だけど聞いたことのないテンションがあり、勝手な個人解釈ではありますが、
彼等の音楽に確固たる「パンク」が潜んでいるような気がするのです。
このバンドのPVを貼付けて以前紹介した時、普段音楽のハナシをしない友人が、
「あのバンドやばいねー」と感心していたことや、
その後大阪で知り合った、普段はそんなにワールドミュージックを聞かないという、
赤い疑惑ファンの青年が「あのバンドのCD僕買いましたよ」とオレに伝えてくれたことは、
オレにとって驚きでしたが、それはSBBの音楽の持つパワーの所以だろうと後で思いました。
まだまだ来日は先ですが、興味ある人は是非チェックしてみてください。

来日公演情報



↓ SBBに節のつけかたを教わったという一弦ギター弾きの少年に注目!


la mal coiffee

フランスのオクシタンという地域に残るポリフォニーコーラスというのがあり、
その音楽を現代的な感覚で貫いている女性グループがla mal coiffeeという。
何故か、このオクシタンの音楽というのは、ブラジルの北東部ノルデスチの音楽と
不思議なことに非常によく似ている。根拠まではオレは調べてないが、
オレはどちらの音楽も大好きだ。
会社で彼女達の音源に触れて、初めはなかなかいいなあ、という程度だったが、
家に持ち帰って聞き込んでみると、グイグイと引き寄せられた。
何だか背筋が伸びる、素晴らしい音楽だと思える。
トラディショナルや、フォルクローレと呼ばれる音楽があるが、
その中でも、今、この時代だからこそ、モダーンに聞こえたり、
逆に田舎臭く聞こえたりする音楽というのと2種類ある気がする。
このオクシタンのコーラスは何故か古くさく聞こえないのは不思議だ。

セバドー 「ブランニューラブ」

オレの音楽ライフは手持ちの二、三百枚のCDと、
ハードディスクに保存した数千曲の音楽ファイルによって管理されている。
CDはピークの折(大学卒業時前後)、恐らく今の四倍の量であったが、
東南アジアへの貧乏旅行体験以降、すっかりコレクター癖がそぎ落とされ、
膨大な量のCDを見ていると何だかイライラして、
それからというものディスクユニオンに通ってはCDを売り、
本当に聞いていたいものだけを残してたら結局今の量になって落ち着いた。

だからアイチューンで曲を取り込んでPCに保存しておくというのは、
そういう「物持たな主義」が染み付いてしまったオレには大変都合がよかった。
でも結局音楽ファイルを増やしすぎると、結局モノが増えているような気がするので、
なるべく整理しようと心がけている。

オレが音楽を聴くのは通勤の自転車での往復二回と、
約十時間弱の勤務中(ワールドミュージックの会社で働いているので)と、
家に帰ってから一、二時間、と大体そんな感じで、
そうやって振り返ってみるとほとんど音楽を聞いて過ごしているようだ。

今はこの文章を書きながらアイチューンDJという機能に頼って音楽を聞いている。
オレはこのアイチューンDJで勝手に呼び出された曲を何の疑いもなく聞いているのだ。
何と怠慢なことなんだろう、とも思う。
しかし慣れは怖いもので、オレは今もこうして何の疑いもなく
アイチューンDJを聞くのであるが、オレの手持ちの数千曲のストックの中には、
オレの音楽史から厳選された精鋭達が詰まっているのであり、
それぞれの歴史は振幅が広く、油断をするとユニコーンの曲など、
オレが中学生の頃に聞いてたような曲まで飛び出す。
大多数はここ数年で取り入れた音楽たちなのだが、
安直「物持たな主義」的整理好きのオレでも(この曲は捨てられねーな)と
思った名曲は少数だがずっと残されてる。

ところで最近はワールドミュージックばっかり聞いて、
昔聞いてたようなオルタナティブロックなんて今はまず聞かないんだけど、
アイチューンDJで油断してたらオレが高校生の時に金玉を鷲掴みにされた
セバドーというアメリカの田舎のバンドの
「ブランニューラブ」という曲が流れてきてしまった。
セバドーはアメリカの90年代オルタナギターロック~グランジを通った人なら
知らぬものはいない、乱暴に形容すると裏ニルバーナ的、とでも言える程、
地味で渋すぎるのに、そのメロディーのよさから結構有名なバンドだった。
振り返ってみると当時のオレはイケイケドンドンで悩めるニルバーナより、
オタク臭全快の冴えないルックスで悩めるセバドーの方に、
明らかに多大なシンパシーを寄せていたようだ。

久しぶりにこのメロディーを、ギターの音色を、
途中で壊れてしまうギターの音色とを聞いて、
当時この曲に震えていた自分と、その自分が抱えていた音楽観と、
当時の青臭いオレの存在とをふっと思い出し、
苦い気分になりつつも、やっぱりこれはいい曲だな、と思った。

蛇足だけどこのセバドーのルーバーロウという人は宅録
(1人で重ね取りをして音源を作る)界の草分け的存在でもあったのだが、
彼が宅録で録った作品に感銘を受けたオレは、自分も、と思い、
MTR(宅録を可能にする機会)を購入して、
ねろという弾き語りソロユニットを結成して作品を作った。
今では懐かしいことのひとつである。

サボールコロンビア

サボール・コロンビアというバンドがいて、
オレはどういう経緯で彼等を知ったのかはっきりしないんですが、
最近パソコンでダウンロードして、よく知りもしないでDJでかけたりしてて。
で、彼等がどういうバンドなのかいまだにはっきりしないんですが、
多分コロンビアと名乗っているから、
コロンビアのバンドだろうということぐらいしかわからなくて、
それで映像を探してみようと思ってyoutubeを呼び出してみたら、
全然動いている映像がみつからなくて
(静止画のPVばっかり出て来るので)、
(はあ、やっぱりこの人達は全然有名じゃないのだろう)
と諦めかけた時に、ついに動いているのをみつけたので、
紹介したいと思います。
クンビアというコロンビアの大衆音楽をやっているのです。
途中、謎の(日本で言うとランバダ風の)美女集団が現れ、
バンドメンバーの前で腰を振り始めますが、
これは、驚いてはいけないのです。
僕は前にもダマスグラティスという
コロンビアのゲットークンビアバンドの衝撃的な映像をみたことがありますが、
そこでもライブをしているダマスグラティスの真ん前で
ボディコン的な衣装を身にまとったセクシーダンサー達が、
当り前のように長方形状に整列して腰を揺らしていて、
その猥雑さをも含めて「みんなのクンビアショー」のようになっていた、
そういう衝撃的な光景をオレは事前にyoutubeで観ていたのでもう驚かないのです。
前置きが長くなりましたが、
結局このPVを観ても彼等がどういう文化圏で
どういうモノを聞いて育ち、
どういうことを目指し、歌い、生きているのかは
まったく分からずじまいなのであります。




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