赤い疑惑、客3人
最近とても気になっていることなのだが、赤い疑惑のライブの集客が激減している。何、アホなことを唐突に、と思われるだろうか。オレは基本的に自意識過剰な人間だから人の目線は常に気になるのだから仕方ない。
赤い疑惑のライブにお客さんが集まらないのは、オマエらに責任があるからだろう、バカ野郎、というのが世間的な認識だろう。オレもそうは思うんだけどね。だけどね、赤い疑惑って、界隈では結構人気バンドとして評判らしいんだけど…。
この間、新宿でライブやった時の赤い疑惑のお客さんはというと、最近いつも来てくれてるいしこちんとその友人のシド君、それからオレがゲストで招待したタバケン、合計3人だった。これじゃあ、ライブに誘ってくれた主催者にも合わす顔がないというか、お客3人しか呼べなかったら普通のブッキングのライブハウスには出させてもらえないね、はっきり言って。
バンドやっている人しか知らないことだけど、日本のライブハウスのシステムっていうのは変な搾取システムがあって、まあ、俗にいうノルマというやつなんだけど、ライブをやるバンドは基本的にチケットノルマっての科せられる訳で、チケット何枚分の売上げ金をライブハウスに奉納しないといけない。オレ達は長年粘り強くバンド活動を続けてきたので、そういうチケットノルマ制でないイベントに定期的に出演させてもらうようになったから、そのノルマ地獄からは距離を置いてるけど、そういうシステムの中でライブ活動をして余計なお金を使っているバンドはいっぱいいると思うよ実際。
で、赤い疑惑のお客さんが激減してる、と言ったけど、ちょっと大袈裟だったかな。激減というほどもともといなかったのだ。安定して、ライブに10人以上お客さんを集めてた時期があったってハナシで、そういう風に書くと、やっぱり人気バンドではないよね。身の程知らず!
で、まあ仮に10人来てたのが3人に減ったとして、ファンが減ったことにしよう。ではどうして赤い疑惑のファンが減ったのかな、ということになるけど、これは簡単にはわからないんだ。でも一つ言えることは赤い疑惑のスタンスが結成当時から常に変わり続けた一点にあるのかな、と思う。バンドを始めた頃はパンクとかハードコアの世界にどっぷり浸っていたから、その時はそういう音楽ばかり聴くファンが周りにいた。だけどオレがそういう音楽に飽きてしまったので、意識的に音楽性を変えていった。そうしたら案の定パンク、ハードコア好きのお客さんはどんどん少なくなっていった。これはひとつの悲しい出来事。
でもその代わりヒップホップを導入してみたりしてるウチにパンクやハードコア界以外からのライブのオファーが沢山やってくることになった。オレ達はそれはそれで、むしろ嬉しくて、ほとんどどういうイベントでも断らずに何でも出演して、実際いろんな現場で面白がられた。だけど、常にファンは流動的で、必死で追いかけてくるようなファンはほとんどいなかったし。みだれ打ちのライブの結果集客は増えず、次第にライブに疲れてきて、オレたちは出演するライブをコントロールするようにし始めた。実際、イベントのクオリティーのピンキリもいっぱい知ったし、オレ達がいいテンションを保つためにはライブの数を減らす必要があった。
そうやって自分達のペースを作ってきた訳だけど、ライブを減らしたことは集客増にはなかなかつながらなかったので何とも歯がゆい。でもオレ達は常に自分達の音楽に面白みを見出していたし、その音楽に酔っていたので、辞めることもないし今もこうして粘って続けてる。固定客ができないのは非常に不安だったけど、オレはいつでも、まあ、しかたのないことだ、と思うようになったし、それはオレが生きるためでもあるのかもしれない。
赤い疑惑って今ライブやってるんですか、と聞かれて驚かれることがしょっちゅうあるけど、その原因は一度ライブ活動休止という表明を数年前に一度出したことが尾をひいているみたいだ。一度、界隈から離れると、その現場感を取り戻すのには大変な苦労がいることがわかった。でもあの活動休止もやむを得なかったとも思えるからしょうがないじゃないか。
いったい、オレたちはオレたちにしかできないことをやって、いろんなところで「赤い疑惑好きです」と言われるようになったけど、結局まだ固定客を掴めず四苦八苦している。mixiに600人以上の参加者がいて、twitterで150人にフォローされても東京でライブやってお客3人というバンドも珍しくないか。笑えるよまったく。
ところが、これが地方では事情がちょっと違う。東京のライブにお客さんは集まらないのに、東京以外の地方でライブをやると東京より盛り上がることが多くてびっくりする。これはいったいどういうことなんだろうか。オーディエンスのギャップなんだろうか。こうなるとオレ達は東京でライブをするのに躊躇せざるを得ない。オレ達はバビロン東京のことをよく唄っているのに、東京で受けないというのは、やっぱり笑うしかないじゃないか。
最近、大学の友人と話してたら「いや、玄ちゃんがDJやるとは思わなかったよ」という。確かに大学の頃のパンク資質なオレをいっぱい知ってる彼が、DJという一見相容れぬカルチャーに入っていったのに驚いたのはもっともだと思う。オレもDJをやるなんて思ってなかったし、30歳になってDJデビューなんてまったく格好つかないじゃん、と思って躊躇してたけど、誘ってくれたDJのコヤマ君やリョウ君はものすごく信頼できるヤツだったので、軽い気持ちでOKした訳だけど、オレがDJを始めたことに違和感を抱いた赤い疑惑ファンはいっぱいいたんだろうな、ということを改めて気付かされたし、オレもそういう人が出てきてもおかしくはないだろうな、とも思っていたのだ。
だけど、DJを始めて、オレの中にあったDJに対するおろかな偏見に気付いた時、オレの世界はひとつ広がったと言えるし、バンドをやることに関してもいっぱいプラスがあった。バンドマンやロックンローラー(といっても僕らの世代までかな)にとってDJという存在は、いわゆるフェイクな存在だった。他人の音楽を使ってかっこつけてるヤツ、くらいにしか思っていない。オレがある程度までそうだった訳だから、これは穿った見方でもないと思う。
ところがDJとバンドマンに境界はないと分かった。どちらも音楽が好きで貧乏なのが基本だ。なのにバンドマンはDJをむしろ<敵>と思ったりするらしい。ロックというビッグビジネスの悲しいサガだな。しかし、驚いたことに、反対にオレが接したDJ達は常に音楽に対して愛があってフラットで、バンドマンを<敵>となんて思う訳がない。むしろバンドマンよりも音楽に真面目なヤツを多く見る気がする。そんなことを思ってるのはオレだけかな。
まあ、最近思ったことをつらつら書いた訳だけど、昔赤い疑惑が好きだったとか言ってる人に、もう一度、生でライブを観てほしいなあ。何か勘違いしてる部分があるんじゃないかなー。勘違いしてるのはオレなのかな。
赤い疑惑のライブにお客さんが集まらないのは、オマエらに責任があるからだろう、バカ野郎、というのが世間的な認識だろう。オレもそうは思うんだけどね。だけどね、赤い疑惑って、界隈では結構人気バンドとして評判らしいんだけど…。
この間、新宿でライブやった時の赤い疑惑のお客さんはというと、最近いつも来てくれてるいしこちんとその友人のシド君、それからオレがゲストで招待したタバケン、合計3人だった。これじゃあ、ライブに誘ってくれた主催者にも合わす顔がないというか、お客3人しか呼べなかったら普通のブッキングのライブハウスには出させてもらえないね、はっきり言って。
バンドやっている人しか知らないことだけど、日本のライブハウスのシステムっていうのは変な搾取システムがあって、まあ、俗にいうノルマというやつなんだけど、ライブをやるバンドは基本的にチケットノルマっての科せられる訳で、チケット何枚分の売上げ金をライブハウスに奉納しないといけない。オレ達は長年粘り強くバンド活動を続けてきたので、そういうチケットノルマ制でないイベントに定期的に出演させてもらうようになったから、そのノルマ地獄からは距離を置いてるけど、そういうシステムの中でライブ活動をして余計なお金を使っているバンドはいっぱいいると思うよ実際。
で、赤い疑惑のお客さんが激減してる、と言ったけど、ちょっと大袈裟だったかな。激減というほどもともといなかったのだ。安定して、ライブに10人以上お客さんを集めてた時期があったってハナシで、そういう風に書くと、やっぱり人気バンドではないよね。身の程知らず!
で、まあ仮に10人来てたのが3人に減ったとして、ファンが減ったことにしよう。ではどうして赤い疑惑のファンが減ったのかな、ということになるけど、これは簡単にはわからないんだ。でも一つ言えることは赤い疑惑のスタンスが結成当時から常に変わり続けた一点にあるのかな、と思う。バンドを始めた頃はパンクとかハードコアの世界にどっぷり浸っていたから、その時はそういう音楽ばかり聴くファンが周りにいた。だけどオレがそういう音楽に飽きてしまったので、意識的に音楽性を変えていった。そうしたら案の定パンク、ハードコア好きのお客さんはどんどん少なくなっていった。これはひとつの悲しい出来事。
でもその代わりヒップホップを導入してみたりしてるウチにパンクやハードコア界以外からのライブのオファーが沢山やってくることになった。オレ達はそれはそれで、むしろ嬉しくて、ほとんどどういうイベントでも断らずに何でも出演して、実際いろんな現場で面白がられた。だけど、常にファンは流動的で、必死で追いかけてくるようなファンはほとんどいなかったし。みだれ打ちのライブの結果集客は増えず、次第にライブに疲れてきて、オレたちは出演するライブをコントロールするようにし始めた。実際、イベントのクオリティーのピンキリもいっぱい知ったし、オレ達がいいテンションを保つためにはライブの数を減らす必要があった。
そうやって自分達のペースを作ってきた訳だけど、ライブを減らしたことは集客増にはなかなかつながらなかったので何とも歯がゆい。でもオレ達は常に自分達の音楽に面白みを見出していたし、その音楽に酔っていたので、辞めることもないし今もこうして粘って続けてる。固定客ができないのは非常に不安だったけど、オレはいつでも、まあ、しかたのないことだ、と思うようになったし、それはオレが生きるためでもあるのかもしれない。
赤い疑惑って今ライブやってるんですか、と聞かれて驚かれることがしょっちゅうあるけど、その原因は一度ライブ活動休止という表明を数年前に一度出したことが尾をひいているみたいだ。一度、界隈から離れると、その現場感を取り戻すのには大変な苦労がいることがわかった。でもあの活動休止もやむを得なかったとも思えるからしょうがないじゃないか。
いったい、オレたちはオレたちにしかできないことをやって、いろんなところで「赤い疑惑好きです」と言われるようになったけど、結局まだ固定客を掴めず四苦八苦している。mixiに600人以上の参加者がいて、twitterで150人にフォローされても東京でライブやってお客3人というバンドも珍しくないか。笑えるよまったく。
ところが、これが地方では事情がちょっと違う。東京のライブにお客さんは集まらないのに、東京以外の地方でライブをやると東京より盛り上がることが多くてびっくりする。これはいったいどういうことなんだろうか。オーディエンスのギャップなんだろうか。こうなるとオレ達は東京でライブをするのに躊躇せざるを得ない。オレ達はバビロン東京のことをよく唄っているのに、東京で受けないというのは、やっぱり笑うしかないじゃないか。
最近、大学の友人と話してたら「いや、玄ちゃんがDJやるとは思わなかったよ」という。確かに大学の頃のパンク資質なオレをいっぱい知ってる彼が、DJという一見相容れぬカルチャーに入っていったのに驚いたのはもっともだと思う。オレもDJをやるなんて思ってなかったし、30歳になってDJデビューなんてまったく格好つかないじゃん、と思って躊躇してたけど、誘ってくれたDJのコヤマ君やリョウ君はものすごく信頼できるヤツだったので、軽い気持ちでOKした訳だけど、オレがDJを始めたことに違和感を抱いた赤い疑惑ファンはいっぱいいたんだろうな、ということを改めて気付かされたし、オレもそういう人が出てきてもおかしくはないだろうな、とも思っていたのだ。
だけど、DJを始めて、オレの中にあったDJに対するおろかな偏見に気付いた時、オレの世界はひとつ広がったと言えるし、バンドをやることに関してもいっぱいプラスがあった。バンドマンやロックンローラー(といっても僕らの世代までかな)にとってDJという存在は、いわゆるフェイクな存在だった。他人の音楽を使ってかっこつけてるヤツ、くらいにしか思っていない。オレがある程度までそうだった訳だから、これは穿った見方でもないと思う。
ところがDJとバンドマンに境界はないと分かった。どちらも音楽が好きで貧乏なのが基本だ。なのにバンドマンはDJをむしろ<敵>と思ったりするらしい。ロックというビッグビジネスの悲しいサガだな。しかし、驚いたことに、反対にオレが接したDJ達は常に音楽に対して愛があってフラットで、バンドマンを<敵>となんて思う訳がない。むしろバンドマンよりも音楽に真面目なヤツを多く見る気がする。そんなことを思ってるのはオレだけかな。
まあ、最近思ったことをつらつら書いた訳だけど、昔赤い疑惑が好きだったとか言ってる人に、もう一度、生でライブを観てほしいなあ。何か勘違いしてる部分があるんじゃないかなー。勘違いしてるのはオレなのかな。
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