西東京ノマディックピープル
フォギーに着いた瞬間にタグチ君がアツい握手で迎えてくれる。周りの人達も大体知ってる人で、よく来たね~、という感じで迎えてくれる。「ナガオさん来て、テンション上がりましたわ~、後で、マイクお願いします」「え、マジっすか」タグチ君がオレにマイクを依頼してくれたので、オレは喜ばなければいけないのだが、出たがりの癖に、やれよ、とかやってよ、と言われると、え~っとなる。とはいえ結局マイク依頼されたら、何糞いっちょやってやるか、ということになる訳だが、ちょっとした責任感が生じて焦るのは毎度のことだ。
オレがタグチ君の横で一生懸命マイクをやっている時、機材トラブルが発生して音がトんじゃう。ビート狂のみんなが大声を出して騒ぐ。オレはここぞとばかりにマイクでフリースタイルをかましてみるが長続きしない。こういうこともよくあるな。不甲斐ない気持ちのまましばらくするとスピーカーが復活。この時のみんなのアガリようは感動的な光景だ。オレも気を取り直してマイクをやっていたら、これもよくあることなんだけど、マイクを置くタイミングを見失って、結局マイクで朝方になってしまった。こんなに長居するつもりじゃなかったのにな。でもみんなとまた仲良くなれて、収穫の多い時間だった。
翌々日の月曜日。吉祥寺のバオバブに顔を出すと、ホテーさんにクリス、それからおとといフォギーで遊んだ人が十人以上いて呆然。何だかもう楽しいぞ。フォギーで会ったトモダチが口々に、「いやー、この間はアクセルさんがいたおかげで大助かりでしたよ」と労いの言葉をかけてくれる。そうだったのか、嬉しいな、ありがとう、ありがとう。
フォギーで働いてるアユム君をつかまえて話していたら、自分も実はバンドやってたんですよ、という。オレはまさかそんな風にアユム君を見てなかったので、ひとしきり驚いて、それからしばらく音楽バナシに。大体フォギーで働いてる時点でオレは興味津々だったけど、聞けば、最終的にはノイズをやってました、という。自分は美大とか行ってたんですけど、ノイズには視覚的な面白さがある、ということも教えてくれてオレは感心したけど、ノイズにいって、フォギーにいってクンビアを聞いた、という彼の過程こそが面白いと思った。オレはロック、パンク、ヒップホップ、レゲエ、ワールドとなってクンビアに辿り着いたんだから。
さらに音楽バナシは続く、僕は最初はスカにやられて、初めはスカコアのバンドやってたんですよ、という。スカコア? メロコア? それはオレの専売特許だよ、いやいや、実は僕も高校の時スカコアのコピーやってたんすよ、と即座にオレも応戦。さらに、東京にフルーティーってバンドがいて、そのバンドをウチのベースのやつとずっと追いかけてたんですよ、と言うと、「フルーティーですか?」とアユム君が一段と大きな声になる。僕、メチャクチャ好きだったんですよ、フルーティー。オレ達は固く手を握り合った。そして、フルーティー、スクールジャケッツ、ユアソングイズグット、と彼等がスタイルをどんどん変えていく姿に、音楽好きとしてかなり興奮し、考えさせられていたこともお互いに確認して、その後何回もアツい握手を交わした。
バオバブから帰るときチルちゃんが、んじゃあまた明日、という。えっ、あした? オレはビックリしてチルちゃんの顔をよーく見てみたら、あれ、待てよ、明日はレベルフィエスタかな、と思う。そうだよ、とチルちゃんが言う。明日かー、ちょっと最近出歩き過ぎだよなー、と思って難しい顔をしていると、じゃ、明日また会えるの楽しみにしてますよ、とチルちゃんは意地悪そうに言う。行けたら、と言ってバオバブを出たけど、すぐに、多分行くだろうな、と思う。
翌日仕事でアメちゃんと渋谷で会う。これでレベルフィエスタに行く環境は整ったわけだ。アメちゃんとのお仕事を終わらせて一緒にメシを食いに行くことに。店を探してる間にアメちゃんが意外に弁当派だった、ということを知ってオレはしきりに驚く。驚いているオレにアメちゃんは、シツレイだな~、とこぼしている。結局そばと丼の簡易食堂で並んでそばを食いながら、アメちゃんは、オレ買物とか好きだもん、とカミングアウトしてきた。スーパーで食材を厳選するアメちゃんの姿は面白すぎる気がするが、とにかくオレも弁当派、自炊派として、買物トークに応戦。オレは一人暮し時代に近所にあったツルカメ食堂の安い野菜を1000円で買ってきて、それで一週間もたせる、という生活を送ってた自慢をすると、1000円はさすがに、オレは2000円だね一週間で、ということを教えてくれる。近くにシナノヤというちょっと上品なスーパーがあって、そこでいい野菜を厳選するのが好きだという。ポイント10倍の日を狙ったりしてね。アメちゃんの眼は真剣そのものだ。
トラノコショクドウに行くといつものみんながいて、こいつは、面白い、と思わざるをえない。フォギーでも会った人がここにも5、6人いる。そして変わらず爆音のビートをおかずに酒を飲んでカラダを揺らしている。オレはレッドアイを注文してみんなに挨拶して回る。この挨拶というのが面白いのである。オレがここ一年のうちに知ったこのクラブカルチャーには、この挨拶という素晴らしい文化が息づいていた。たいして何を話さなくてもいい。ただ顔を合わせて挨拶して笑って、それだけで人間は生き生きとするのである。
いろいろと挨拶をして回って、最後にショーゴさんのところに行って挨拶したら、ショーゴさんの冗談抜きのロックトークが始まって、オレは真面目なモードに突入し、一人のロック人間として冗談抜きのロックトークを拝聴する。う~ん、毎度ショーゴさんのハナシは刺激的である。向かいで激しくカラダを震わせて挑発的に踊っているコが真面目モードに突入したオレに向かって、「オドッてる~?」と妙な声で挑発してきたので当惑した。オレはそういうオンナ嫌いナンダと、心で思いつつ、表面的にはカラダを少し動かして、オドッテルヨ~、と返答。ショーゴさん、オレも踊ります。時計を見ると終電がアブナい。帰りの挨拶はさささのさで、オレは渋谷のアスファルト小走りに。結局終電の一本前に乗車することができて、終電の一本前は意外にギュウギュウじゃないことを知った。
オレがタグチ君の横で一生懸命マイクをやっている時、機材トラブルが発生して音がトんじゃう。ビート狂のみんなが大声を出して騒ぐ。オレはここぞとばかりにマイクでフリースタイルをかましてみるが長続きしない。こういうこともよくあるな。不甲斐ない気持ちのまましばらくするとスピーカーが復活。この時のみんなのアガリようは感動的な光景だ。オレも気を取り直してマイクをやっていたら、これもよくあることなんだけど、マイクを置くタイミングを見失って、結局マイクで朝方になってしまった。こんなに長居するつもりじゃなかったのにな。でもみんなとまた仲良くなれて、収穫の多い時間だった。
翌々日の月曜日。吉祥寺のバオバブに顔を出すと、ホテーさんにクリス、それからおとといフォギーで遊んだ人が十人以上いて呆然。何だかもう楽しいぞ。フォギーで会ったトモダチが口々に、「いやー、この間はアクセルさんがいたおかげで大助かりでしたよ」と労いの言葉をかけてくれる。そうだったのか、嬉しいな、ありがとう、ありがとう。
フォギーで働いてるアユム君をつかまえて話していたら、自分も実はバンドやってたんですよ、という。オレはまさかそんな風にアユム君を見てなかったので、ひとしきり驚いて、それからしばらく音楽バナシに。大体フォギーで働いてる時点でオレは興味津々だったけど、聞けば、最終的にはノイズをやってました、という。自分は美大とか行ってたんですけど、ノイズには視覚的な面白さがある、ということも教えてくれてオレは感心したけど、ノイズにいって、フォギーにいってクンビアを聞いた、という彼の過程こそが面白いと思った。オレはロック、パンク、ヒップホップ、レゲエ、ワールドとなってクンビアに辿り着いたんだから。
さらに音楽バナシは続く、僕は最初はスカにやられて、初めはスカコアのバンドやってたんですよ、という。スカコア? メロコア? それはオレの専売特許だよ、いやいや、実は僕も高校の時スカコアのコピーやってたんすよ、と即座にオレも応戦。さらに、東京にフルーティーってバンドがいて、そのバンドをウチのベースのやつとずっと追いかけてたんですよ、と言うと、「フルーティーですか?」とアユム君が一段と大きな声になる。僕、メチャクチャ好きだったんですよ、フルーティー。オレ達は固く手を握り合った。そして、フルーティー、スクールジャケッツ、ユアソングイズグット、と彼等がスタイルをどんどん変えていく姿に、音楽好きとしてかなり興奮し、考えさせられていたこともお互いに確認して、その後何回もアツい握手を交わした。
バオバブから帰るときチルちゃんが、んじゃあまた明日、という。えっ、あした? オレはビックリしてチルちゃんの顔をよーく見てみたら、あれ、待てよ、明日はレベルフィエスタかな、と思う。そうだよ、とチルちゃんが言う。明日かー、ちょっと最近出歩き過ぎだよなー、と思って難しい顔をしていると、じゃ、明日また会えるの楽しみにしてますよ、とチルちゃんは意地悪そうに言う。行けたら、と言ってバオバブを出たけど、すぐに、多分行くだろうな、と思う。
翌日仕事でアメちゃんと渋谷で会う。これでレベルフィエスタに行く環境は整ったわけだ。アメちゃんとのお仕事を終わらせて一緒にメシを食いに行くことに。店を探してる間にアメちゃんが意外に弁当派だった、ということを知ってオレはしきりに驚く。驚いているオレにアメちゃんは、シツレイだな~、とこぼしている。結局そばと丼の簡易食堂で並んでそばを食いながら、アメちゃんは、オレ買物とか好きだもん、とカミングアウトしてきた。スーパーで食材を厳選するアメちゃんの姿は面白すぎる気がするが、とにかくオレも弁当派、自炊派として、買物トークに応戦。オレは一人暮し時代に近所にあったツルカメ食堂の安い野菜を1000円で買ってきて、それで一週間もたせる、という生活を送ってた自慢をすると、1000円はさすがに、オレは2000円だね一週間で、ということを教えてくれる。近くにシナノヤというちょっと上品なスーパーがあって、そこでいい野菜を厳選するのが好きだという。ポイント10倍の日を狙ったりしてね。アメちゃんの眼は真剣そのものだ。
トラノコショクドウに行くといつものみんながいて、こいつは、面白い、と思わざるをえない。フォギーでも会った人がここにも5、6人いる。そして変わらず爆音のビートをおかずに酒を飲んでカラダを揺らしている。オレはレッドアイを注文してみんなに挨拶して回る。この挨拶というのが面白いのである。オレがここ一年のうちに知ったこのクラブカルチャーには、この挨拶という素晴らしい文化が息づいていた。たいして何を話さなくてもいい。ただ顔を合わせて挨拶して笑って、それだけで人間は生き生きとするのである。
いろいろと挨拶をして回って、最後にショーゴさんのところに行って挨拶したら、ショーゴさんの冗談抜きのロックトークが始まって、オレは真面目なモードに突入し、一人のロック人間として冗談抜きのロックトークを拝聴する。う~ん、毎度ショーゴさんのハナシは刺激的である。向かいで激しくカラダを震わせて挑発的に踊っているコが真面目モードに突入したオレに向かって、「オドッてる~?」と妙な声で挑発してきたので当惑した。オレはそういうオンナ嫌いナンダと、心で思いつつ、表面的にはカラダを少し動かして、オドッテルヨ~、と返答。ショーゴさん、オレも踊ります。時計を見ると終電がアブナい。帰りの挨拶はさささのさで、オレは渋谷のアスファルト小走りに。結局終電の一本前に乗車することができて、終電の一本前は意外にギュウギュウじゃないことを知った。
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