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御嶽神社で結婚式

やはり日常抄録日記も続かなかったですね。
改めてブログ継続の難しさを痛感しつつ
日々を慌ただしく過ごしていました。

最近はというと、
今度の日曜日に挙げる予定になっている
他でもない僕の結婚式の準備に勤しんでました。
以前から、クリスチャンでもないのに教会で挙式して、
インチキ牧師の前で誓いを立て、
ホテルの宴会場のようなとこで会社など
面倒な人間関係まで呼んで、
つまらないお約束のプログラムに沿って、
ドンチャンと派手に行われるような、
いわゆる暴利を貪るブライダルビジネスに、
何の疑問も持たずにのっかる結婚式を嫌悪していた自分は、
結婚を決意した時から、式をあげるなら神社で、
と思っていました。
幸い嫁のピーも結婚式に関して
僕の考えに賛同してくれたのでハナシは早かったのです。

ホテルなどで挙げる式と違って
神社での挙式は圧倒的に費用も安く、
何より日本人として嘘くさくない荘厳さの中で
結婚という儀式を体験できるのです。
神社にルーツを持つ血筋として
──実家が長尾八幡宮である父の息子としても、
まあそれは自然な選択なのだろうと思います。

青梅の御岳山山頂にある御嶽神社を式場に選んだのは、
そこが数年前より自分の中で
特別な場所になりつつあったからでした。
天気の良い日には新宿の高層ビル群、
最近では不快ツリー、いや、スカイツリーまで、
東京都を一望のうち眺めることのできるロケーション。
そんな御岳山山頂で、
数年前に初日の出を拝んで以来のことです。
初日の出を元旦にわざわざ拝むという、日本の古い慣習自体、
世間並みにテレビ漬けの年末年始を送っていたら
まず思いつかないことでしょう。
しかし、大学時代の仲間が毎年年末年始に集まって
テレビをみたりゲームをしたりして
ダラダラ過ごしているのを見て呆れていた僕は、
年始をどう過ごすのか、ということを考え始め、
結果日本人なら初日の出じゃないかと思い至りました。
そういう経緯で初めて訪れた御岳山山頂での日の出は
想像以上に美しく素晴らしい体験でしたが、
それ以降毎年年末年始は御岳山に通うことになるのです。
そしてある年に御岳山の日の出スポットの中でも
長尾平という自分と同じ名前を冠した眺望台を発見し、
そのスポットの霊的なオーラに呑み込まれた僕は、
そこに一方的に運命を感じ始めたのでした。

結婚式やるなら神社で、と考えていたら昨年、
奇遇にもその御岳山の御嶽神社で、
音楽仲間のハマちゃんがそこで挙式をするのだ、
と言いました。
なるほど、あそこでも挙式ができるのか、
あんな僻地で式を挙げるなんてのは
なかなか変わっててイイぞ、
と思った僕は交際中だったピーを連れ、ハイキングも兼ねて
ハマちゃんの結婚式の野次馬をしに行きました。
実はその時点でもう結婚を決意していた僕は、
彼女に見つからないように指輪を用意し、
野次馬の最中に寄り道して訪れた長尾平にて
ついに彼女にプロポーズしたのです。
恥ずかしいハナシですが、いつの頃からか、
プロポーズするなら山頂で、ということを考えていた僕の夢を
現実に実行してみたわけですが、
ロケーションが功を奏したのか、
ピーは、本当に嬉しい、というふうに涙をたらし、
「ありがとう」と言って承諾してくれたのでした。
友人の結婚式の野次馬に行っておいて
自分がプロポーズしちゃうのですから
よっぽどお調子者のようにも思えますが、
またその時見学した結婚式がとても素敵だったのです。

当日は朝から雨模様で、この曇天の中での挙式を
少し不憫にも考えていたのですが、
不思議なことに式が始まる直前に
太陽が雲の割れ目から現れたと思うと、
一気に空が明るくなり始め雨が止んだのです。
雨後の霧だった空気に太陽の光が差し込み、
幻想的な世界の中で結婚する二人のお練りに
僕らは光栄にも参列することになったのです。
なんという奇跡だろう、と思いながらも、
こりゃあ僕らもここで式を挙げたらさぞかし素敵なことだぞ、
と漠然と考え始めたのです。

それから丁度一年が経って、
自分達もまったく同じ御嶽神社での挙式を
迎えようとしているのです。
その一年の間に、オヤジへの結婚報告から始まり、
ピーのご両親への挨拶、結納、
同棲による新たなアパート暮らしの始まりなどなど、
目まぐるしくも楽しい経験を重ねることになりました。
下北沢の古本喫茶で出会ったあらたな人間関係だったり、
赤い疑惑とは別に始めたバンドのことだったり、
まるで学校に通うかのように日々
風通しのいい同僚と馬鹿話ができる職場で
清掃という未経験の仕事に汗を流したり、
結婚と同時進行でいろんな経験ができた一年間でした。

原発の再稼動やTPP、オリンピック誘致、
増税問題など納得のいかない政治がまかり通って、
心配事や怒りや、不条理なことも少なくない日本ですが、
それでも、震災前まで感じていた退屈な世界から考えれば、
これから自分がこの状況の中でどうやって生きていくのか、
分からないから面白いと思ったりもするのです。
だからこそ入る気合はなかなかのものではないか、
とも思っているのです。

結婚式の当日は慣れない親戚付き合いと、
直面しなければならない心配もありますが、
恥をかいてもいい、あのお山で厳かな自然の洗礼と、
ささやかな祝宴とを味わってくればいいのです。
春を今まさに迎えようとしている奥武蔵の霊山は
さぞかし美しいことでしょう。
そして山頂から眺める東京は、
果たしてどんな表情をしているのでしょうか。
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