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オレは実家に帰ってからというもの

何が変わったかというと、大して何も変わってないのであった。
いや変わったといえばもちろん心持ちは変わったけど、
行動パターンは特に何も変わらない。
当り前か。
当り前でもないのかな。

朝起きて仕事に行って、帰ってきて晩メシを喰って、
パソコンをいじって、部屋に籠ってギターを弾いて、
大体2時頃疲れて眠りにつく。
この大ざっぱなサイクルは彼女と同棲した頃も、
今も、あまり変わっていない。

平日はほぼ毎日姉貴と晩メシを喰って、
その内オヤジが帰ってきて、
既に酔っている場合とそうでない場合があり、
まあ、いずれにしてもまた一杯始める。
時には素早く調理場につき
酒をより一層うまくさせるに違いない、
何より食後のオレの視線をも釘付けにするような肴を、
そつなく軽快に作り始めたりする。
その60過ぎのオトコの毅然とした動きと生き様に
オレは言いようのない刺激を受けたりしている毎日なのだ。

こんなに楽しそうなオヤジが近くにいることは、
希望を見失ったオレにとっては宗教のようなモノであった。
とにかくこの人に迷惑をかけないようにしよう。
今度の日曜日ちょっとお願いがあるんだけど、
と言われれば即座に、オーケー、と返事をする。
パソコンで分からないことを聞かれたら、
物腰優しく丁寧に教える。
この食材でこの献立を作れ━━オヤジはよくこんな指令をだすのだが、
そう提案されれば、わかった、と言って実際その献立を作る。
それがオヤジのイメージと少しでも違うと
ダメ出しがこぼれたりすることもある。
それでもオレは、そうか申し訳なかったな、と思う。
そう思うようにこころがけているのか、
実際申し訳なく思っているのかは不明である。

実家に戻ってから無線LANの設置がうまくいかなかったから、
オヤジの寝室にオレのPCスペースを設けてもらい、
オレはパソコンをいじる時はこの部屋に来る。
今も来ている。
オレの日常は自分の部屋と仕事場と、
そしてこのオヤジの加齢シュウの染み付いた部屋との、
行ったり来たりなのであった。

パソコンの前に座り、さてブログを書くか、
と思っていると携帯のバイブが鳴った。
鳴ったかなと思ったけど携帯は鳴っていなかった。
定期的にグルグル、グルグル、と音をたてていたのは、
隣の居間で酒を飲みながら寝ているオヤジの鼾だった。
オヤジの寝室の隣は居間で、
そこには食卓とソファとテレビが世間並みにおいてある。
オヤジは今、居間で、酒を飲みながら寝ている。
ソファがあるけどソファには腰掛けず、
ソファを背中でよっかかってフローリングに座布団を敷いて座り、
テレビを見ながら首を垂れて寝ている。
見ながら寝ているというのは不適切な表現だけど、
見ながら寝てしまったのだから、しかたがないではないか。
言葉は難しいものである。

オヤジはといえば、首を垂れて身体的に辛そうにも見えるけど、
オレはいつもそのままにして━━父は最終的にいつもその姿勢になるのだが、
ほったらかすことにしている。
酩酊好きのオトコとして考えるに、
彼は酒を飲んで気持ちよくなって寝ている筈だから、
そのままほっといてやる方が本人の本当ではなかろうか。
姉は、ちゃんと寝な、と声をかけてやっていたそうだが、
オレが、オヤジはあれがシアワセに違いないからほっときゃいいよ、
と言って説得したら、そうなのかな、と首をかしげはしたが、
それから姉貴も気にしなくなったようで、
結局オヤジは自ら目が覚める深夜遅くまで、
そこで酒と一緒に寝ているようである。
オレの方が先に寝ることもあるから、
オヤジが何時頃寝室で正式な眠りに就くのかは、
恐縮ながら把握しきれていないのであった。

バスクに行っていたミスターコヤマが昨日日本に帰ってきた。
向こうの音楽シーンとその周辺を目の当たりにして相当興奮していた。
電話でしか話してないけど今度ゆっくり聞かねばならない。
そういえば明日赤い疑惑のライブだ。
何だか一気に現実に引き戻されてしまうようだ。
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