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オレたちの道

オレたちはいつの間にか完全に独自の道を歩み始めていた。
バンドを始める頃はこういうバンドになりてえ、
という理想のバンドが幾つも浮かぶモノだ。
オレはそもそもジュンスカイウォーカーズのステージを見て、
それでバンドマンになろう、と決意したほどの、
以前はロマンチストだったのだ。
今オレがバンドでやっていることは
ジュンスカイウォーカーズとは全く異質なもので、
これだけ異質なものになってしまった自分にも呆れてしまう。
でもナルチシズムのことだけ考えれば、
遠からず近からずなのかもしれない。

オレとクラッチとブレーキーは毎週一回会って、
スタジオに入って、ということを続け、
そして常に現状の音楽シーンに満足していなかった。
これもバンドマンとしては珍しいことではないのかもしれないが、
オレらの孤立感は特別だったと思う。
オレたちはレゲエとヒップホップに衝撃を受けた後、
いろんなワールドミュージックを聞くようになった。
だけどオレの不器用さのパーソナリティーは、
いつも何かっぽくなることを自然と回避してしまっていた。
ライブハウスで見る対バンの音楽には、正直なところ、
こころよい反応ができない、という妙な時期がずっと続いた。
もちろん素晴らしいと思えるバンドも数えるくらいはいたのだったが。

ある日オレたちはお好み焼きBARに居た。
前から知っているところといえばそうなのだが、
いまだに謎の空間ともいえそうな、不思議なところだった。
ごく親しい人間が次第に集まってきて、
十五人くらいで満席になってしまった。
オレは月賦で買った十二万円のガットギターを握り、
クラッチはいつも通りエレキベースを握り、
ブレイキーは何故か電子ドラムの前に腰をおろした。
客、いやオレのトモダチ達は一曲毎に喚声を上げて喜んだ。
不思議のようでもあったが不思議でない気もしていた。
何しろオレ達は適度に酔っぱらっていたからだ。
その日、偶然にもカメラを回したオトコがいたな。
世の中というのは本当に不思議なものだ。


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