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日記読んでますよ

と最近またよく言われるようになった。
以前、まさしく阿呆のように長たらしい文章を頻繁にブログしていた時期があったが、
その時はシリアイに会うとよく、読んでますよと言われ、毎回のように焦った。
嬉しいのだが、複雑な気分なのだ。
監視、または盗み見されたような恐ろしさが伴ったりして複雑な感じ。
自分でそのように仕向けているにも関わらず。

それやこれや、オレみたいに私生活をさらけ出したり、
私的感情をさらけ出したりしているといろいろ面倒なことになったりして、
それで一時期はブログを放り出した。
それから随分楽チンな気がしていたが、面倒くさいことに、
段々と今度はまた自分の「さらけ出したい癖」が脳みそをストラグルするようになった。

本当に一番いいのは、本を出版して売りつけるというのがベストだと思うのだが、
そんな面倒くさいこと、アホらしくてなかなかチャレンジできない。
それよりもCDを作ったり曲を作ったりすることことの方が優先的順番を勝ち得ているようである。

「音の谷」で岐阜の山奥まで行ってきた。
電車の駅から車で三四十分だから不便なところだ。
初日大トリを飾った赤い疑惑のステージは奇跡的な盛り上がりをみせた。
先頭列にいたのうしんとうのメンバーの1人が興奮の末
誰もいないアスファルトにむかって果敢にダイブしたシーンが頭に焼き付いている。
自分達の演奏を前に大暴れのモッシュピットが形成された瞬間、
オレはいいようの無い可笑しさがこみ上げてきて、
同時に「ライブの善し悪し」は決して演奏のうまい下手ではないのだな、
ということに、弾けないギターをぶら下げながら思ったものだ。
それは前々から感づいていたことだけど、
その夜のライブ程そのことに感じ入った時はなかった。

アンコールを済ませたオレたちのステージの前には握手を求める人の列ができていた。
握手する時、みんな瞳孔開き気味の眼でオレをみつめていた。
オレたちはただいつも通りライブをやっただけだぜ、
今日のライブでいったい何が起こったのかなと思うと
不思議にエキサイティングな悦楽に誘われるようだった。

いいライブをやった赤い疑惑は翌日も人気者だった。
昨日赤い疑惑のライブで感動した人と同じイベント空間でふたたび顔を合わせるからだ。
TシャツやCDを持ってサインを求めに来る人や、写真を撮ろうとする人やがいた。
オレたちはサインの練習をしているからそつなく対応することに成功したが、
どうもお人好しな赤い疑惑の面々は誰かメンバーが不在だと探しにいって
ファンの労力を軽減することに献身的だった。

サインを書いたりすることは腹の足しにはならないが、
腹の足しになるようなことがあったので驚いた。
メインステージから曲線を描いて伸びていく放物線状のゲレンデを
ステージを背にして登っていくとテントエリアを通過するのだが、
気分転換にそのゲレンデを歩いて登っていくととあるテントで声をかけられ、
赤い疑惑の方ですよね、と話しかけられた。
話してみるとどうやら以前仙台で対バンしたことのある青年だった。
そして話しているうちに、ラーメン食べませんか、と彼は言うのだった。
見ると同じテントで野営をしている彼の仲間が小さなガスコンロと
安物のテフロンのフライパンでラーメンを作っていた。
オレは嬉しかったのでそのラーメンをいただくことにし、
なるほど人気者になるとお恵みまで与えられるのだな、と感謝した。
しかし彼もまた、ブログ読んでますよ、とオレに伝えてくれるのだ。
そうして、最近、更新がちょっと……、と控えめな含み笑いを浮かべるのだった。
それは、もっと更新してくださいよ、というジャブだったので、
オレは一瞬面食らったが、はあ頑張りますとか何とか答えたようだ。

さて、今回の音の谷で一気に親好を深めたのうしんとうのライブ━━
2日目の19時頃までの━━を見終えて、
オレたちはのうしんとうのメンバーと無駄に抱き合って別れた。
帰途は往路でうんざりし、当然復路でも覚悟していたETC割引による
国民の不景気ぶりを露骨に露呈した大渋滞もなく、スムーズにいった。
撮影で同行していたマイクと、久しぶりの快音ライブに満足げな様子だったブレーキーを
送り届けた後、クラッチがそのマイクとブレーキーの、
一見すると分からない因果な共通性または共通項を
鋭く(少なくともオレには鋭く)射抜いた見解を語ってくれて、
途中合流したタッチーもしきりにその見解に頷いているのだった。
それにしても送り届けた際━━それもしんと静まりかえった丑三つ時に見た、
上げ底で凹凸の無い、四角ばったブレーキーの新居(正確にはブレーキーの親の新居)
は彼が指摘した通りの隔絶された土地にあり、その隔絶感は、
実に計画的であり見事であった。
彼はすでに「芸能人」から「ご隠居」のレベルに、
当人の意志等には関わり無く、何物かの大きな力で取り込まれていくようであった。


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